園長先生の発見!

教育現場で規範意識はどう育てるのか?

学童保育で小学生たちを預かっていると、すごく感じることが規範意識についてです。
当施設では、子ども間で問題が起こると話し合いで解決を促しますが、ルールについての思考回路が「自分にいかに有利になるか」なのです。
要するに自己中ということです。

そのような子どもの心理が育つ過程を考えていくと、大人の関りに問題が見えてきます。

子どもが問題を起こすと大人側が面倒だなと感じるので、そうならないための先回り防衛策としてルールを考え子どもに守るように強要します。
子どもは、守らないと当然ながら怒られます。

違和感を感じないですか?
これで規範意識が育つのでしょうか?逆だと思いませんか?

大人都合のルールを押し付けられてきた子たちは何を学ぶのでしょうか?

起こった問題に子どもたち自身が向き合い、状況を整理して振返ってみて感じるものがあるから、「こうすべきだった。」ということが見えてくるのです。
見えてきたものがあるから、次からは「こうしよう。」ということが決まるのです。

それが、ルールです。

『自分たちの生活や遊びを平和で楽しいものと保証してくれるものがルール。』
という認識を育てなければルールを守ろうとする人間は育ちません。
押し付けられたルールを守れと強要された子は自己中になります。

東京はさすが!

こんにちは。
また、約1年ぶりの更新になってしまいました。

さて、栃木県の幼稚園では9月1日から
(地区によってバラつきあり)
一斉に園児募集が始まりました。

当園の理念は、教育基本法や
認定こども園の教育・保育要領などから
理念建されています。

そして、説明会ではその理念を中心にお話させていただき、

また、当然ながら保育の実践は理念からつながるものになりますと。

すなわち、当園の保育は指針に忠実に基づいて
具現化されているのですと。

保育園、幼稚園、認定こども園は国が示す
各指針に基づいて乳幼児の保育・教育に
取り組まなければなりません。

そして、その3指針は全く別の内容で作られているのではなく、
文字や文章の表現は若干違うにしても、

言わんとしていることは
3指針とも全て同じです。

ですので、乳幼児の施設としてやるべき
保育・教育は同じということです。

前置きが長くなりましたが、
何が言いたいかというと

これです。

世田谷区では就学前児童が毎年1,000人増えているそうです。
待機児童の対応で施設の数を増やすだけでなく

「子どもを中心とした保育」の実現を目指して

『世田谷区保育の質ガイドライン』

をつくりました。

前述したとおり、
保育園も幼稚園も認定こども園も
同じだとういことで読んでもらいたいのです。

 

 

↑ は
園の環境について書かれていますね。

 

 

↑ は

教育についての説明ですね。

というわけで、

乳幼児教育は世間的に正しく認識がされていません。

この質のガイドラインは

わかりやすく説明してくれています。

こんなものから世間の正しい理解に
つながってくれればなぁ・・・・

うちの園の取り組みが正しいものとして
もっともっと理解されればなぁ・・・・

今回のこれは、一部の抜粋ですが、

世田谷区のホームページから全てダウンロードできます。
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/129/1812/d00152282.html

異年齢保育

運動会を今週末に控えているところですが、
来年以降へのビジョンが少し見えてきました。

①年中さんは、バルーンの練習に
少し飽きてきている様子が見られること。

②年長さんの組体操を見学してみたら
「かっこよかった♪」
「僕にもできるかなぁ♪」
「年長さんになったらできるの?」
と興奮気味だったこと。

③年少さんが年中さんのバルーンに
お手伝いで参加したら
保育者の心配をよそに、
意外に上手に出来てしまったこと。

先生たちの週日案の“気づき・反省”に
それぞれ、このようなことが書かれていた。

教育の目的(教育基本法)から考えると
運動会は単なるイベントであってはならないし、
子どもたち自身が充実して主体的に
取り組んでいなければならない。

と考えると。

本来、年中さんの種目であるバルーンに
年少さんが一部混ざって競技しても良いのでは?

本来、年長さんの種目である組体操に
年中さんが一部混ざって参加しても良いのでは?

というようなことが他の競技でも
あって良いのでは?
(あえて異年齢での種目も設定しているが・・・・)

必ず年齢ごとにとか、
必ず異年齢でとかと考えず、
その年の子どもたちの色々なことを考慮して
柔軟な参加の形を想定して
必要な時には保証すべきでは?

結果、ここでの経験が子ども自身の
その後の何かにつながっていくこが重要なので、
その期待ができるのであれば
教育者として保証するのが義務でしょう。

単なるイベントとしての繰り返しではなく、

目の前の子どもたちの
育ちのニーズに応じた取り組みが
できるかもしれません。

『育ち合う保育』

新年度が始まって全体的な雰囲気として
不安がる新入園児の子たちも少ないし、
慣れるのも例年より早いし、
週明けの不安定さも心配するほどでもないし、

今年の4月は落ち着いてるなぁ~と、
感じていました。

これまでのブログでも
『誰かが誰かのために・・・・』とか
『選択理論の浸透』とか
『共生の理念』とか

子どもたちがコミュニケーションを
学ぶための取り組みについて触れて書いてきましたが

それらの取り組みの成果として出ているのだろうなぁと
思ってはいたものの、その思いはただ漠然としたものでした。

月曜日は、先生たちから上がってくる
先週1週間分の「気づき・反省」に目を通す日です。
今日、先生たちから上がってきたものを
読んでいて、「もしかしたら」と思ったことを紹介します。

先生たちそれぞれの内容に
このような取り組みに対して
子ども目線での工夫が感じられる内容や

そこからの子どもたちの姿などが、
たくさん書かれていました。

面白いことに

下の子のお手伝いに関しては
年長より年中の子のほうが
ハリキッテいることが多いと感じた
ある先生が、年中さんを認めていると、

月曜日の帰りのお集まりで
年長さんから、たくさんの年中さんが
ヒーローとして発表された。
(誰かが誰かのために何かを・・・・の発表)
のだそうです。

そして、別の先生のものを読んでいると
年長さんの活躍が目にとまり
「さすが年長さん!」と
たくさん認めている様子が書かれていました。

年長さんが年中さんを認めながら
その姿に刺激を受けて
積極的に小さい子への援助をするように
なったのだと思いますが、

このことに関して先生同士は、
意図的に連携をしていません。

種まきがされたことを知らない先生が
単純に年長さんらしい姿を見つけて
認めていたということです。

いろいろな先生がいろいろな視点で
子どもたちへの促しをし、
成長として見えた子どもの姿を認め、
子どもの中に価値付けをする。

という作業が先生同士の中で
複雑に仕組みとして成り立ち
子どもの成長に大きなパワーを
生んでいるのだと思いました。

漠然だった思いが
確信に変わりました。

意図した保育を先生たちが一丸となって
取り組んだ結果だと。

新たな実践

3・4・5歳児は主にコミュニケーションを学んでいます。

『誰かが誰かのために何かをしてあげた』
ところを見つけて発表する。

ということを初めて見ました。

自分以外のお友だちの姿を捉えることで
他者理解にも繋がります。

発表されたお友だちは嬉しいので
その姿がさらに積極的になります。

発表した本人は、
「お友だちの良いところに、よく気がつけたね」
と認められ、そのことに価値が付けらえます。

この関係が複雑に絡み合って出来上がる集団を
想像してみてください。

人は人のために生きることが仕事・・・
と説明が始まる当園の理念

『共生の理念』とつながります。

そして、もう一つ

『選択理論』の浸透です。

子どもたちに伝わりやすいようにと
先生が工夫を重ねてきましたが
また、工夫が見られています。

『選択理論』の考え方を教えていくのではなく
子どもたちの身近な出来事から
当てはめていくやり方になりました。

あるグループでの取組は

悲しい顔と笑っている顔のペープサートを使って、
友だちに「いれて!」と言われた時を例に

「嬉しくなるのはどんな言葉?」
と問いかけると
「いいよ!」「いっしょにやろう!」
などがあがった。

「悲しくなる言い方は?」
と聞くと
「ダメよー!」「入れてあげない!」
などとあがった。

みんながニコニコ楽しく幸せに過ごせるためには
どちらを選択する方が良いのか?を

身近で起こるような出来事を
繰り返しみんなで考えていけるようにと
はじめてみたようです。

自分さえよければ良いのではなく、
みんなで、みんなが幸せになるように
自分たちの社会を作っている最中です。

教育の目的は『人格の完成』ですからね。

きちんとつながった内容の保育になってますね。

チーム保育

先生たちが毎日書いている記録の
ある日の気づきを紹介します。

ある日の給食中です。

給食中の出来事。
Aくんは給食になって4日目、
お皿やフォーク、食べ物にも興味津々。
制限なく好きなように口へ運んでいたが
パプリカを残している。

食べやすいように、さりげなくスプーンの上に
乗せた状態で近くにおいてみたり、
保育者自身がAくんの目の前で
食べてみせたりしたが変化なし。

まぁいいか、、、と思っていたところに

BちゃんがAくんに近づいてきて
パプリカをAくんの口へどうぞ、、、
と差し出すと、、、食べた。

子ども同士の関わりの中から生まれる
力の大きさを感じた。
関わりの促しの大切さに気づいた瞬間だった。

書かれていました。

先生が無理やり食べさせることは
食育に反することを理解していて、
なんとか間接的な促しを
試みているところは、
さすがだなぁと思いながらも

すごい瞬間に出会ったなぁ~

思わず紹介したくなりました。

先生たちだけがチームとして保育しているのではなくて
子どももチームの一員として保育に参加している。

ということを現した様子です。

これぞ、『究極のチーム保育!!』

しかも、1歳児どうしの姿です。

誰かのために誰かが何かをしてあげる
という保育を実践してきて
1歳児の姿から浸透している成果を
見ることができたなんて興奮しちゃいます。

「仕込み」や「やらせ」ではなく子ども主体

指針には園児が自ら安心して環境にかかわり
その活動が豊かに展開されるよう環境を整え、
園児と共によりよい教育及び保育の
環境を創造するように務めるものとする。

とあります。

まず、

『園児が自ら安心して環境に関わる』

ようになるためには?

大きな不安を抱えている子は
家庭の後押し(励ましや勇気づけ)が必要です。

登園後は、その気持ちを汲み取った
思慮深い先生の関わりにより
信頼関係(安心)
を築いていきます。

そして、降園してから家庭の
温かい受け止め(自信づけ)が必要になります。

新入園の子たちにとってこのことは
家庭と連携し連動して行わなければならない
非常に重要なことになります。

『活動が豊かに展開される』

ためには?

例えば、砂場遊びをしていたとすると・・・

「○時になったら次の活動だから終わりにします!
片付けてお部屋に入ります!」

とういう先生の指示では
全ての子が活動を豊かに展開できた
というところまではいけません。

子どもが心理的に満たされる必要がありますので、
満足するまでやれることが理想ですが、

先生の活動に対しての見通しに乗せられて
コントロールされていては満たすことが難しくなります。

活動に対して先生の見通しではなく、
自らの見通しをもっていることが必要です。

○時に始まる次の活動へ自ら移行していくためには、
今の活動を終わらせる気持ちの切り替えを自分でしたり、
ここまで!という満足の到達地点を修正したり。

こういうことができる

『よう環境を整え園児と共によりよい教育及び保育の
環境を創造するように務めるものとする。』

ですので、

家庭と一緒に子どもを安心させ
子どもが活動の見通しができるような

環境を整え・・・

更に、よりよい環境の創造をする条件として

“園児と共に”

が入っているので

先生が勝手に創造しては、

いけないとうことですね。

これを踏まえて当園では

子どもとお部屋作りをしたり
子どもとルール作りをしたり
などなどと色々な話し合いがされるわけです。

どうでしょうか?

『育ち合う保育』

今日は始業式です。
また、新しい1年がスタートです。

新入園児、進級児それぞれが
新たな気持ちでのスタートになります。

当園の理念のひとつに

共生の理念があります。

みんなで支えあって、
みんなで助け合って
生きていきましょう。

そんな関係をみんなで作っていきましょう。

とうものです。

入園の説明でも必ずしています。

保育の中で話し合いが多いのもここからです。

まずは自己主張することからです。

主張がぶつかることを経験して、
相手の主張に耳を傾けるようになります。

そして、少しずつ相手を理解して受け入れていきます。

その結果、相手を思いやった意見が言えるようになります。

日常生活の中では、
困っている様子のお友だちに気づいたら、
助けてあげる関わりを促しています。

自分だけ良ければ良い!

などという身勝手な考え方の存在すら知らずに
支え合うことが当たり前!
助け合って生きることが当たり前!

という認識を自然と植え付けたいものです。

きっと良い世の中になっていくでしょうね♪

人としての “良心” を確かなものとして育むためにも

このような経験を子どもたちに保証し続けたいです。

立派な大人になってくれることを期待して。。。。。

自立を支える

12日(土)に課外スポーツクラブ開催の
小学生ドッヂボール大会がありました。
我が子も所属しているので応援に行ってきました。

ちなみに結果は

高学年が3位(北関東大会出場)

低学年・・・・

ま、

結果はさて置き

そんなことで、このブログは書きません。

大会が終わり表彰式も終わり、

指導員の先生たちが会場の片付けを始めると・・・・

誰に何を言われたわけでもなく、
どこからともなく、お手伝いを始める子たちが・・・

コートのテープを指導員が剥がしていると
それを見て別の方から剥がし始め、

椅子を片付け始めると
次から次から椅子を運び始め、

椅子の下に敷いてあったシートをたたみ始めると、
もう一つのシートをたたみだしました。

と、会場の片付けが終わるまで
最初から最後まで手伝っていたのは?

うちの園の子たちだけでした(((o(*゚▽゚*)o)))

(途中少しだけ手伝ったよその園のチームの子が2人ほどいましたが・・・)

他園と当園の圧倒的な違いが見えた瞬間でした。

これですよね!!

勉強ができるかできないか

スポーツができるかできないか

よりも、

このような姿があるかどうかの方が
人としての価値を測れると思います。

このお手伝いをしていた子たちのほとんどが、
学童保育を利用している子たちでした。

普段から率先してお手伝いをしていて

そのうち

お手伝いではなく、

自分たちのこととして

当たり前のように、やるようになっているから

当たり前のように出てきた姿だったのでしょうね。

支え合う関係(共生)

みなさん、こんにちは。
今回は、保育に関することではなくて・・・・

安倍内閣は、
「すべての女性が輝く社会づくり」
を推進しています。

先日もニュースで
女性管理職の数を増やすことを
企業に義務付けるというような内容
をやっていました。

管理職に就く前に実績を積まなければなりません。

子育て世代の就労時問題としてよく聞くのは、
子どもが具合が悪くなると、
早退して迎えにいかなければならない。
または、仕事を休まなければならない。

というようなことから、
職場で、嫌な顔をされたり
ひどい場合は、
やめる方向に誘導されたり
などなど。

本来、保育園やこども園は就労支援のために
存在するわけではありません。

具合の悪い大事な我が子を放っといて仕事?

大人の都合で、子どもを手荷物のように
預ける感覚は絶対におかしいと思います。

このような感覚を生んでいる、
このような仕方の無い状況を生んでいる、
今の社会は絶対におかしいです。

就労支援は、子育て中のママを就業させている
職場が行うべきだと思います。

管理職を増やす義務よりも、
子どもを一番大事に考えながら、
気持ちよく仕事が続けられる仕組みを作る
義務を与えて欲しいと思います。

保育園の病児保育や病後児保育なんて
やってはダメなんです。

急に休めないお母さんを支援するのではなくて、
急でも休める支援をしなくては!

就職、結婚、出産、産休、育休、職復帰の後に
管理職です。

順番を間違えたら抜本的な解決にはつながりません。

国は、
就労者を増やしたいんですよね?
結婚して出産して子どもを増やしたいんですよね?
女性管理職を増やしたいんですよね?

順番を考えて欲しいです。

国民全体の『支え合う意識』も重要ですが。。。。

子どもをしかっかり育てて
社会に送り出さないと
どんどんヒドくなります。

子どもが一番大事ですよね?

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